近年では、SNSやHPの運営の内製化が活発になる一方で、グラフィックデザインツールも多様化しております。プロのデザイナーなら、Adobe Illustrator(AI)は見聞きし、一度は触れたことがあるソフトであり、一般企業や個人のインフルエンサーの方は、Canva一択というお声もお聞きます。どっち使えばいいの?とよく聞くご質問を現役デザイナーが実際の制作を踏まえて再現し検証しました。
Canvaといえば、手軽にデザインができる豊富なテンプレートが魅力ですが、今回はあえてそのテンプレートを使わず、完全オリジナルでの再現に挑戦
テンプレートありきのツールでゼロから制作するのは、本来の使い方とは少し異なるかもしれませんが、「Canvaの限界値を知る」ことで、ツールの特性や適した活用シーンがより明確になると考えています。テンプレートを活用して短時間でどこまで完成度の高いチラシが作れるか、という視点は一旦置いておいて、それぞれの所要時間や完成度を比較することで、「自分で作るか」「プロに依頼するか」の判断基準としても参考になる内容をお届けできればと思います。


デザイナー歴6年 / 女性★★★☆☆

メインソフト:Illustrator
お客様のオーダーで、Canvaのデザイン制作を開始

まずは、Illusratorで作ったチラシとCanvaで作ったチラシを比べてみよう!

Illustratorで作ったチラシ

Canvaで作ったチラシ

両者をパッと見なら「どちらも同じ仕上がりになったな」という印象を受けるかもしれません。ですが、細部までじっくり比べてみると、やはり両者の違いが出ました。
たとえば、Canvaではパスの操作や概念がないがないため、Illustratorで制作したような細かい吹き出しの表現が再現できませんでした。また、イラストの線にも大きな差が出ており、ブラシの自由度や描き味にも限界を感じました。とはいえ、テンプレートを使わず1からここまで再現できたという点では、Canvaも十分健闘してくれたと感じています。

CanvaとIllustratorの比較

比較項目 AI Canva
提供形態 デスクトップ(windows / mac) クラウド / モバイルアプリ
価格帯 有料のみ(月額3,000〜単体) 無料プラン有り / 一部有料

インストール

必須 不要(ブラウザ使用)
操作性 プロ向けUI / 複雑なツールバー / パス編集など専門知識が必要 直感的で簡単 / ドラッグ&ドロップ主体

テンプレート

少なめ 多い

使用シーン

ロゴ / 名刺 / パッケージ / イラスト / 印刷用データ / デザイン全般

SNS投稿 / プレゼン資料 / サムネイル制作

出力形式

AI,EPS,SVG,PDF,PNG,JPG多数 PNG,JPG,PDF,MP4,GIF

画像編集機能

高度なベクター編集 / トレース等(またはphotoshop併用) 画像の簡易編集(明るさ、色調補正、トリミング)

レイヤー管理

複数レイヤー / ロック / マスク / グループ化

簡易(グループ化 / 重ね順)

フォント

PCないのローカルフォント / 自由に追加可能 内蔵フォントまたは、一部有料

スマホ対応

非対応(一部モバイル有り) 完全対応

学習こすと

高い(数日〜数ヶ月) 低い(数時間〜数日)

一般的に、プロ向けデザインツールをIllustrator、一般向けがCanvaとよく言われますが、Illustratorでは、オリジナリティや柔軟な発想に対応するのに適しており、Canvaでは初心者でも簡単に制作できる点がその理由です。一概に、どちらが良い、どちらが悪いという視点ではなく、作りたいものやその人のスキルに合わせてデザイン制作ツールは選ぶべきですが、Illustratorで作業する現役デザイナーから見る視点として、次のポイントを解説します。

Canvaの良い点

POINT 内容
整列操作 上下左右・センター揃えが簡単にできる
ショートカット対応 Ctr(Commnad)+Zなどのショートカットが普通に使える
配置調整 ツールバーから数値指定で位置・サイズ調整が可能
テキストエフェクト 袋文字(線幅)の扱いやすさが秀逸(重なり順が調整済み)
テキストの方向切替 縦書き⇔横書きが簡単に切り替え可能
料金 無料

チラシ制作で検証する中で、使いやすいポイントなどをまとめさせて頂きました。

Canvaの惜しい点

普段からIllustratorを用いたデザイナーにとって惜しい点も挙げさせて頂きます。

  • カラーパレット登録が面倒(カラーコードのみ、RGB・CMYKなし)
  • 文字間隔・行間の変更が直感的でない(アイコンで設定可能)
  • 十字キーでの移動が不安定
  • フォントの太さがBボタン以外で操作しづらい(フォント種類に依存)
  • Illustratorのようなレイヤー管理ができない
  • ガイドの追加が不自由
  • 一部拡張子がアップロード非対応
  • レイヤーが増えると選択が難しい
  • ブラシの種類が少なく、筆圧検知が弱い
  • ドロップシャドウが図形に使えない
  • 整列機能が使いづらく、右クリックが必要
  • 図形内テキストの余白が強制的で調整できない
  • 角の丸みが個別に設定できない
  • アートボード外クリックで画面がガクガク揺れる
  • グループ化した要素をレイヤータブで確認できない
  • 線の細かい設定が不可

無料と有料の差が出るポイント

機能 無料 有料(Pro)
カラーパレット登録 3色まで 無制限
フォント数 限定 豊富に使える
図形の種類 制限あり 全て利用可能(ぼかし図形)

ぱっと見で分からず調べたこと

現役デザイナーがCanvaを触って、使い方がわからずに調べた内容をピックアップします。

  • テキストの線追加→ツールバー内で可能
  • 文字間隔・行間変更→アイコンから
  • パス追加→図形の結合(=グループ化)で代替
  • レイヤー操作→配置メニュー内にあり
  • 吹き出し→細かい調整はできず、図形の組み合わせで代用
  • パス変形/遠近/シアー/影/ぼかし→不可
  • カーブテキスト→エフェクト>湾曲を使用

驚いたポイント(!)

  • 図形に文字が自動入力可能(地味に便利)
  • アップロード画像の明るさ・彩度・コントラスト調整が可能

苦労した点

  • メニュー表示が固定でなく、頻繁に切り替わるのがストレス
  • 図形で波線背景を作るのに苦戦(丸・四角・線の組み合わせ)
  • Illustratorよりも2倍の時間と疲労がかかった(慣れの問題も)

結論

あくまで、個人のデザイナーの感想によるものですが、テンプレをいじるだけでも「色・配置・フォント・見せ方」など悩むことが山盛りで、正直無料でここまでできるソフトはすごい!という結論です。しかし、1からの自作の制作はおすすめしません。冒頭にも初心者や非デザイナーが用いる一般向けのソフトとして優秀という結論で、IllustratorやPhotoshopに比べて突出した機能があるわけではありません。ソフトの慣れの部分もありますが、制作時間はIllustratorの2〜3倍の時間を要してしまいました。

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