テンプレートありきのツールでゼロから制作するのは、本来の使い方とは少し異なるかもしれませんが、「Canvaの限界値を知る」ことで、ツールの特性や適した活用シーンがより明確になると考えています。テンプレートを活用して短時間でどこまで完成度の高いチラシが作れるか、という視点は一旦置いておいて、それぞれの所要時間や完成度を比較することで、「自分で作るか」「プロに依頼するか」の判断基準としても参考になる内容をお届けできればと思います。

メインソフト:Illustrator
お客様のオーダーで、Canvaのデザイン制作を開始
まずは、Illusratorで作ったチラシとCanvaで作ったチラシを比べてみよう!
Illustratorで作ったチラシ
Canvaで作ったチラシ


両者をパッと見なら「どちらも同じ仕上がりになったな」という印象を受けるかもしれません。ですが、細部までじっくり比べてみると、やはり両者の違いが出ました。
たとえば、Canvaではパスの操作や概念がないがないため、Illustratorで制作したような細かい吹き出しの表現が再現できませんでした。また、イラストの線にも大きな差が出ており、ブラシの自由度や描き味にも限界を感じました。とはいえ、テンプレートを使わず1からここまで再現できたという点では、Canvaも十分健闘してくれたと感じています。
CanvaとIllustratorの比較
比較項目 | AI | Canva |
提供形態 | デスクトップ(windows / mac) | クラウド / モバイルアプリ |
価格帯 | 有料のみ(月額3,000〜単体) | 無料プラン有り / 一部有料 |
インストール |
必須 | 不要(ブラウザ使用) |
操作性 | プロ向けUI / 複雑なツールバー / パス編集など専門知識が必要 | 直感的で簡単 / ドラッグ&ドロップ主体 |
テンプレート |
少なめ | 多い |
使用シーン |
ロゴ / 名刺 / パッケージ / イラスト / 印刷用データ / デザイン全般 |
SNS投稿 / プレゼン資料 / サムネイル制作 |
出力形式 |
AI,EPS,SVG,PDF,PNG,JPG多数 | PNG,JPG,PDF,MP4,GIF |
画像編集機能 |
高度なベクター編集 / トレース等(またはphotoshop併用) | 画像の簡易編集(明るさ、色調補正、トリミング) |
レイヤー管理 |
複数レイヤー / ロック / マスク / グループ化 |
簡易(グループ化 / 重ね順) |
フォント |
PCないのローカルフォント / 自由に追加可能 | 内蔵フォントまたは、一部有料 |
スマホ対応 |
非対応(一部モバイル有り) | 完全対応 |
学習こすと |
高い(数日〜数ヶ月) | 低い(数時間〜数日) |
一般的に、プロ向けデザインツールをIllustrator、一般向けがCanvaとよく言われますが、Illustratorでは、オリジナリティや柔軟な発想に対応するのに適しており、Canvaでは初心者でも簡単に制作できる点がその理由です。一概に、どちらが良い、どちらが悪いという視点ではなく、作りたいものやその人のスキルに合わせてデザイン制作ツールは選ぶべきですが、Illustratorで作業する現役デザイナーから見る視点として、次のポイントを解説します。
Canvaの良い点
POINT | 内容 |
整列操作 | 上下左右・センター揃えが簡単にできる |
ショートカット対応 | Ctr(Commnad)+Zなどのショートカットが普通に使える |
配置調整 | ツールバーから数値指定で位置・サイズ調整が可能 |
テキストエフェクト | 袋文字(線幅)の扱いやすさが秀逸(重なり順が調整済み) |
テキストの方向切替 | 縦書き⇔横書きが簡単に切り替え可能 |
料金 | 無料 |
チラシ制作で検証する中で、使いやすいポイントなどをまとめさせて頂きました。
Canvaの惜しい点
普段からIllustratorを用いたデザイナーにとって惜しい点も挙げさせて頂きます。
- カラーパレット登録が面倒(カラーコードのみ、RGB・CMYKなし)
- 文字間隔・行間の変更が直感的でない(アイコンで設定可能)
- 十字キーでの移動が不安定
- フォントの太さがBボタン以外で操作しづらい(フォント種類に依存)
- Illustratorのようなレイヤー管理ができない
- ガイドの追加が不自由
- 一部拡張子がアップロード非対応
- レイヤーが増えると選択が難しい
- ブラシの種類が少なく、筆圧検知が弱い
- ドロップシャドウが図形に使えない
- 整列機能が使いづらく、右クリックが必要
- 図形内テキストの余白が強制的で調整できない
- 角の丸みが個別に設定できない
- アートボード外クリックで画面がガクガク揺れる
- グループ化した要素をレイヤータブで確認できない
- 線の細かい設定が不可
無料と有料の差が出るポイント
機能 | 無料 | 有料(Pro) |
カラーパレット登録 | 3色まで | 無制限 |
フォント数 | 限定 | 豊富に使える |
図形の種類 | 制限あり | 全て利用可能(ぼかし図形) |
ぱっと見で分からず調べたこと
現役デザイナーがCanvaを触って、使い方がわからずに調べた内容をピックアップします。
- テキストの線追加→ツールバー内で可能
- 文字間隔・行間変更→アイコンから
- パス追加→図形の結合(=グループ化)で代替
- レイヤー操作→配置メニュー内にあり
- 吹き出し→細かい調整はできず、図形の組み合わせで代用
- パス変形/遠近/シアー/影/ぼかし→不可
- カーブテキスト→エフェクト>湾曲を使用
驚いたポイント(!)
- 図形に文字が自動入力可能(地味に便利)
- アップロード画像の明るさ・彩度・コントラスト調整が可能
苦労した点
- メニュー表示が固定でなく、頻繁に切り替わるのがストレス
- 図形で波線背景を作るのに苦戦(丸・四角・線の組み合わせ)
- Illustratorよりも2倍の時間と疲労がかかった(慣れの問題も)
結論
あくまで、個人のデザイナーの感想によるものですが、テンプレをいじるだけでも「色・配置・フォント・見せ方」など悩むことが山盛りで、正直無料でここまでできるソフトはすごい!という結論です。しかし、1からの自作の制作はおすすめしません。冒頭にも初心者や非デザイナーが用いる一般向けのソフトとして優秀という結論で、IllustratorやPhotoshopに比べて突出した機能があるわけではありません。ソフトの慣れの部分もありますが、制作時間はIllustratorの2〜3倍の時間を要してしまいました。
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